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2024/04/15

フェイスラインにも悪影響! 「歯ぎしり」「食いしばり」対策3選

  • フェイスラインにも悪影響! 「歯ぎしり」「食いしばり」対策3選

歯科衛生士の熊谷(くまがい)です。
今回は歯ぎしり・食いしばりと歯周病の進行の関係性についてお話しさせていただきます。

【歯ぎしり・食いしばりをする人のチェックリスト】
歯ぎしり・食いしばりをされている方の多くは無自覚です。歯科にかかった際に歯ぎしりを指摘されて、初めて自覚したという方も多いと思います。歯科医院ではいくつかの所見から歯ぎしり・食いしばりを推測しています。ご自身でもチェック可能な項目もありますのでぜひ一度お口の中を覗いてみましょう。

▪️朝起きたら顎が疲れている、痛みがある。

▪️歯がすり減り先端が平らになる。

▪️上あごの真ん中あたりや、下あごの歯の内側の骨が出っ張っている。
・・・口の内側にボコボコとしたコブのような固い膨らみはありませんか。これは骨隆起です。上顎にあれば口蓋隆起、下顎にあれば下顎隆起と呼ばれます。強い咬合力が加わることによって骨が過剰に発達してしまいます。

▪️頬や舌に咬んだ痕がある。
・・・起床時に頬の内側の粘膜を咬んでしまっている、あるいは白っぽい咬んだ痕はありませんか。この頬粘膜の圧痕も歯ぎしりをしている方特有の所見となります。

▪️詰め物・被せ物が取れやすい。

▪️歯がすり減ったり、欠けたり、割れたりしたことがある。

▪️歯の根元がくさび状に欠けている、知覚過敏の症状がある。

▪️エラが張っている。

▪️集中している時などに、無意識のうちに歯を噛み締めている事がある。

▪️首・肩こりがひどい。

 

公益財団法人8020推進財団が、2018年に全国2,345の歯科医院で行った全国抜歯原因調査結果では、歯が失われる原因で最も多かったのが「歯周病」(37%)で、以下「むし歯」(29%)、「破折」(18%)、「その他」(8%)、「埋伏歯」(5%)、「矯正」(2%)の順でした。

歯を失う主な原因は歯周病と虫歯であり、これらの原因となる最近の塊であるプラーク(歯垢)のコントロールに重きが置かれています。
3位の「破折」は一度に大きな力がかかって生じるだけでなく、多くが長期にわたり歯に負荷がかかり続ける事で生じます。歯を失わないためにはプラーク(歯垢)のコントロールに加えて、歯にかかる力を適切にする「力のコントロール」も重要です。

破折には様々な原因がありますが、歯に何度も強い力がかかる歯ぎしり・食いしばりも一因となります。通常、人間の噛む力の強さは自分の体重程度といわれています。しかし、寝ている時の歯ぎしりではその倍、100kgほどの力が歯に加わります。食いしばりは長時間、強い力で歯と歯を噛むため、歯ぐきに対する影響は非常に大きくなります。そのため、歯周病を罹患している人に食いしばりがあると、歯周病で一番深刻な歯を支える骨(歯槽骨)の吸収が急速に進みます。歯は土台となる歯槽骨を失うことで動揺し、抜歯せざるを得なくなる危険性が高まってしまいます。

歯ぎしりとは上下の歯を側方にすり合わせることによってギリギリと音がでるもので、「グライディング」といいます。一方、食いしばりとは、上下の歯を強く噛み締めるのみで音がしないもので、「クレンチング」といいます。両方が混在するタイプの方もいらっしゃいます。


【歯ぎしり・食いしばりの対応策】
①日中の食いしばり注意
上下の歯を離しておくように気をつけましょう。

②ナイトガード
当院では、2回のご来院でナイトガードのお渡しが出来ます。

ナイトガードの治療の流れ
1回目のご来院(約30分)
上下の歯の型取り、噛み合わせの記録をとります。

2回目のご来院(約30分)
出来上がったナイトガードを装着し、噛み合わせなどを確認します。調整をし、お渡しになります。お渡しの際に、着脱方法や清掃方法も一緒に説明させていただいておりますのでご安心下さい。

 ※ナイトガードをすれば歯ぎしりがなくなるわけではありません。歯の代わりにナイトガードが削れます。また、お口の中の状態により来院回数が増える場合もございます。

③ボツリヌストキシン療法

ボツリヌストキシン療法とはボツリヌス菌の産出するボツリヌストキシンという成分を使用した薬剤を患部に注射する治療です。
ボツリヌストキシンは筋肉を収縮させる神経を抑制する作用があり、筋肉に注射を行うことで筋肉のつっぱりや痙攣を和らげる効果があります。

ナイトガードにすぐ穴が空いてしまう、割れることがある。嘔吐反射が強くナイトガードが使用出来ない方にお勧めします。

虫歯・歯周病の予防とともに、歯ぎしり・食いしばりの徴候を見逃さないよう、歯科医院で定期的に検診を受けましょう